ORIGIN — COUNTRY / COFFEE

パナマ

PANAMA

チリキ県のボケテ・ボルカン・レナシミエントを主産地とし、SCAP主催のBest of Panamaを通じてゲイシャ種の高額落札が繰り返される小規模生産国。商品名は農園名とゲイシャの品種名が骨格になる。

事実

事実出典階層
アラビカ栽培の大半はチリキ県のボケテ(Boquete)・ボルカン(Volcán)・レナシミエント(Renacimiento)の3地域に集中するdulcetropical.comL3
ボケテは火山性土壌で安定した微気候を持ち、コーヒー栽培地の標高は約1,000〜2,000m、1,200〜2,100m、1,200〜1,800mなど資料によって範囲が異なるdulcetropical.comL3
ボルカンはバルー火山(Volcán Barú)の反対側斜面にあり、コーヒー栽培地の標高は1,100〜1,700m、1,200〜1,800m、1,500〜2,200mなど資料によって範囲が異なり、ボケテより知名度が低いdulcetropical.comL3
レナシミエント地区の標高は資料により1,000〜1,400m、または1,500〜2,000mと幅がある。dulcetropical.comL3
収穫期はボケテ・ボルカンで12月から3月、レナシミエントは11月から2月とやや早いdulcetropical.comL3
国内生産のおよそ8割をアラビカ種が占め、残りをロブスタ種が占めるen.wikipedia.orgL3
パナマのコーヒーの栽培面積は、FAO統計で22,400ha(2013年)、パナマ統計局の2012/13年度の調査ではコーヒーの木が占める面積が20,830haである。en.wikipedia.orgL3
SCAP(Specialty Coffee Association of Panama)は1996年、国際的なコーヒー価格の低迷期に、ボケテ・ボルカンカンデラ地区の生産者7名が集まって設立したscap-panama.comL4
Best of Panama(BOP)はSCAPが主催する年次の品評会・オークションで、2026年時点で第30回(XXX edición)を数える。scap-panama.comL2
第30回Best of Panama(2026年)で高評価を得た40ロットが外部監査人の管理下に置かれ、9月23日に国際オークションが予定されているnewsroompanama.comL3
Best of Panama 2025のオークションでHacienda La Esmeraldaのウォッシュト・ゲイシャが1kgあたり30,204ドルで落札されたnewsroompanama.comL3
2019年時点でパナマ産ゲイシャは1ポンド1,029ドルの落札記録があったen.wikipedia.orgL3
チリキ県・ボカスデルトロ県の先住民ンゴベ・ブグレ(Ngäbe-Buglé)がコーヒー生産に従事しているen.wikipedia.orgL3
歴史のある農園としてCafé Ruiz、Café Kotowa(創業者Alexander Duncan MacIntyreは1913年創業で100年を超える。国籍は資料によりカナダ人またはスコットランド系移民と幅があり、姓はスコットランド高地の氏族名)、La Torcaza Estate(バルー山南斜面標高1,350m、有機栽培)が挙げられる。en.wikipedia.orgL3
中米では一般にSHB(Strictly Hard Bean)は標高1,200〜1,350mを超える産地を指す等級である。検索結果要約(中米グレード解説)L4
ゲイシャは1960年代にタンザニア・コスタリカを経由して導入されたとされるen.wikipedia.orgL3
Hacienda La Esmeralda(Peterson家)が標高1,650m超に植えたゲイシャを他区画と分離して出品し、2004年のBest of Panamaで優勝、当時のオークションの記録価格をつけたbeannbeancoffee.comL4
Peterson家は1990年代に高地農園ハラミロを取得し、さび病の被害の中でゲイシャの樹だけ被害が少ないことに気づいて栽培を拡大したbeannbeancoffee.comL4
kopicha観測所のcatalog(2026-09-09)でoriginが「パナマ」の商品は94レコード・88の(店・題名)組・9ソースだったsrc/data/catalog(本サイト観測、2026-09-09)L3
商品名にSHBを含むものは88の(店・題名)組のうち37件で、パナマは産地・農園・ロット番号による表記が主流src/data/catalog(本サイト観測、2026-09-09)L3
商品名にゲイシャを含むものは88の(店・題名)組のうち26件(3割)で、パナマ産地の商品名の主な訴求点になっているsrc/data/catalog(本サイト観測、2026-09-09)L3
ボケテはパナマで国際的に広く知られるコーヒーの産地である。dulcetropical.comL3
ボルカンは、バル火山を挟んでボケテの反対側にあるパナマのコーヒー産地である。dulcetropical.comL3
日本のパナマ産コーヒー生豆輸入量は2021年に141.142t(141,142kg)で、輸入相手国別の順位は24位だった。coffee.ajca.or.jpL2
パナマの収穫は、低地が 8〜11 月、高地が 12〜3 月に始まる。mida.gob.paL1
パナマのコーヒー生産は 2020-21 年で 222,971 キンタル、栽培面積は 17,548 ha だった。mida.gob.paL1
チリキ県のコーヒー栽培面積は 6,434.99 ha で、全国 17,548 ha の約 37% にあたり、県別で最大である。mida.gob.paL1

百科

産地の位置づけ

パナマは中米に位置する小規模生産国で、栽培面積はFAO統計で22,400ha(2013年)、パナマ統計局の2012/13年度調査ではコーヒーの木が占める面積が20,830haで、国内生産のおよそ8割をアラビカ種が占めます。生産規模自体は大きくありませんが、1996年に発足したSCAP(Specialty Coffee Association of Panama)主催の品評会「Best of Panama」を通じて、ゲイシャ種のロットが高額で取引される産地です。

産地と標高

アラビカ栽培の大半はチリキ県内の3地域に集中しています。ボケテ(Boquete)は火山性土壌(栽培地の標高は資料により約1,000〜2,100mの間で範囲が異なる)で安定した微気候を持ち、パナマで最も古くからの高地農園が集まる産地です。ボルカン(Volcán)はバルー火山(Volcán Barú)の西側斜面に位置し(栽培地の標高は資料により1,100〜2,200mの間で範囲が異なる)、ボケテより乾燥した高地で、世界的な高値記録を持つゲイシャの産地の一つです。レナシミエント(Renacimiento)はチリキ県西部で、ピエドラ・カンデラ(Piedra Candela)周辺を含みます。この周辺で最も標高の高い地点はバルー山の3,475mですが、実際の農園の大半はそれより低い標高にあります。栽培には、チリキ県・ボカスデルトロ県の先住民ンゴベ・ブグレ(Ngäbe-Buglé)が従事しています。

国内での観測

kopicha観測所のcatalog(2026-09-09)では、originが「パナマ」の商品は94レコード・88の(店・題名)組・9ソースにわたって観測されています。生豆卸のwildが44件と最も多く、次いでロースター系のphilocoffea・小川珈琲が続きます。商品名にゲイシャを含むものは88組のうち26件(3割)、SHBを含むものは37件で、パナマは規格の単独表記よりも農園名・ロット名を前面に出す表記が主流という実態が観測から確認できます。

生産の仕組み: 小規模高地農園とBest of Panama

パナマのコーヒーは小規模な高地農園を単位に生産され、歴史のある農園としてCafé Ruiz、Café Kotowa(1913年創業で100年を超える。創業者の国籍は資料によりカナダ人またはスコットランド系移民とされる)、La Torcaza Estate(バルー山南斜面標高1,350m、有機栽培)などが挙げられます。1996年、世界的な低価格期に品質を訴えるためボケテ・ボルカンカンデラ地区の生産者7名がSCAPを設立し、同年からSCAP主催の品評会兼オークション「Best of Panama(BOP)」が始まりました。BOPは国内の産地区分ごとにロットを審査・出品する仕組みで、2026年には第30回が実施され、高評価を得た40ロットが外部監査人の管理下に置かれた上で9月23日に国際オークションが予定されています。

規格

中米では一般に、SHB(Strictly Hard Bean)は標高1,200〜1,350mを超える産地を指す等級として使われますが、パナマ固有の閾値を定めた一次資料は確認できていません。パナマの商品名では、この等級表記よりも農園名・ロット名・品種名を前面に出す表記が主流です。

精製

ウォッシュド(ウォッシュト)が基本の精製方法で、近年はナチュラルやアナエロビック(嫌気性発酵)による精製のロットも見られます。

品種: ゲイシャという転機

ゲイシャは1960年代にタンザニア・コスタリカを経由して導入されたとされます。転機になったのは2004年で、Hacienda La Esmeralda(Peterson家)が標高1,650m超に植えたゲイシャを他区画と分離して単独ロットで出品し、その年のBest of Panamaで優勝、当時のオークションの記録価格をつけました。Peterson家は1990年代に高地農園ハラミロを取得しており、コーヒーさび病が広がる中でゲイシャの樹だけ被害が少ないことに気づいて栽培を拡大したという経緯が伝えられています。この2004年の出来事以降、パナマ・ゲイシャの落札額は上昇を続け、2019年には1ポンド1,029ドル、2025年のBest of PanamaオークションではHacienda La Esmeraldaのウォッシュト・ゲイシャが1kgあたり30,204ドルで落札されました。これらは品評会オークションの記録であり、店頭で流通する価格帯とは別の指標です。

典型として語られる香味

パナマ産、特にゲイシャ種の香味として一般に語られるのは、ジャスミンや柑橘を思わせる華やかな香りと、紅茶のような透明感のある口当たりです。これらは産地・品種の傾向として広く共有されている表現であり、個々のロットの評価ではありません。実際の味は農園・標高・精製・焙煎度で変わります。

歴史

パナマのコーヒー栽培は中米の中では小規模にとどまってきましたが、1996年のSCAP設立とBest of Panama開始を境に、品質を軸にした国際的な位置づけを獲得しました。2004年のゲイシャの優勝以降、パナマ産ゲイシャは国際的な品評会オークションで高値記録を更新し続けており、2026年時点でもBest of Panamaは継続して実施されています。

買い方の手引き

商品名の読み方

日本の店では「パナマ」の後に、農園名(フィンカ、エスメラルダ農園など)→ 品種(ゲイシャが多い)→ 精製 の順で書かれる型が中心です。生豆卸では「パナマ/SHB◯◯農園」のように国名の直後に等級を置く型もありますが、農園名・品種を前面に出す表記のほうが目立ちます。ロースターの商品名では「Panama Bambito Estate Yellow Catuai」のように農園名・ロット名・品種・精製を英語で並べる型もよく見られます。産地区分(ボケテ・ボルカン・チリキ)は農園名に添えて書かれることが多く、単独では出にくい表記です。

規格と精製の見方

「SHB」はStrictly Hard Beanの略で、中米では概ね標高1,200〜1,350mを超える産地の等級として使われますが、パナマの商品名では等級表記そのものより農園名・ロット名・品種名が優先される傾向があります。精製はウォッシュド(ウォッシュト)が基本で、ナチュラルやアナエロビック(嫌気性発酵)の表記も見られます。Best of Panamaのロット番号(BoP V-06 など)が商品名に添えられることもあります。

旬と入荷の時期

収穫は12月から3月にかけて行われます。Best of Panamaは毎年実施され、その年の受賞ロットが国内店に入荷するのは収穫・審査・輸出の手続きを経た後になります。「終売」表記が多い店もあり、単発ロットの入れ替わりが早い傾向があります。

内容量と価格の目安

観測所の相場は下の「観測」の節に自動で出ます。パナマは単一農園・単一ロットの表記が多く、生豆価格ボードで比較できるのは規格の明示された商品に限られます。ゲイシャ種の落札記録(1kgあたり数万ドル規模)は品評会オークションの記録であり、店頭価格の相場ではありません。

観測

コピチャ観測所が公開情報から機械収集した商品のうち、この項目に一致するもの。価格は在庫ありの行の最安 100g 換算。

規格別の相場(生豆・商社規格が読める銘柄だけ)

規格銘柄店100g 中央値
パナマ SHB293¥305ボードで見る →

観測した商品

94銘柄 / 15店 / 在庫あり 23 / 100g中央値 ¥5,104

PHILOCOFFEAパナマ 731 Panama Bambito Estate Caturra/Catuai¥3,013 /100g在庫あり2026-10-25
GLITCH COFFEE & ROASTERSパナマ Panama Boquete Elida¥4,700 /100g在庫あり2026-10-25
PHILOCOFFEAパナマ 730 Panama Bambito Estate Yellow Catuai¥3,694 /100g在庫あり2026-10-25
GLITCH COFFEE & ROASTERSパナマ Panama Boquete Lerida¥14,400 /100g在庫あり2026-10-25
小川珈琲パナマ デボラ ニルバーナ会員価格完売2026-10-25

ほか64銘柄。

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パナマコーヒー入門 — ボケテとボルカンの位置関係、「パナマ=ゲイシャ」の名前のつまずきを一枚の地図にする →パナマはゲイシャ種の高額落札で知られますが、ゲイシャは品種名でエスメラルダは農園名、パナマという産地名とは別の軸です。バル火山を挟むボケテとボルカンの位置関係、精製ごとの内訳、国内97銘柄の実測価格まで整理します。