ORIGIN — COUNTRY / COFFEE
コスタリカ
COSTA RICA
ICAFEが定める産地区分(2025年に8から7へ再編)と、標高を基準とするSHB/GHB/HBの等級表記が骨格になる中米の産地。ハニープロセスの発祥地をコスタリカとする資料とブラジルとする資料があり、マイクロミル運動が小農園単位のトレーサブルな流通を後押ししている。
事実
| 事実 | 出典 | 階層 |
|---|---|---|
| コーヒーの生産地区分はICAFE(Instituto del Café de Costa Rica、コスタリカコーヒー協会)が定める | ticotimes.net | L3 |
| 2025 年の再編前、ICAFE の産地区分はタラス(ロスサントス)・セントラルバレー・ウエストバレー・トレスリオス・ブルンカ・オロシ・トゥリアルバ・グアナカステの8地域だった | icafe.cr | L2 |
| タラスを含むロスサントス地域の栽培地は標高1,200〜1,900m | icafe.cr | L2 |
| セントラルバレーは肥沃な土壌を持つ歴史的中心地で国内最大の生産地とされる。ウエストバレーの栽培地は標高800〜1,400mである | icafe.cr | L2 |
| トレスリオスは3本の川(Tárcoles・Torres・Tiribí)に由来する地名の小地域とされる | cafetico.io | L3 |
| ブルンカは標高約1,400mで、セントラルバレーに次ぐ生産地とされる | cafetico.io | L3 |
| オロシは標高1,000〜1,400mの中標高地域 | icafe.cr | L2 |
| MY2026/27の生産予測は前年比3.5%増の120万袋(60kg換算) | dailycoffeenews.com | L3 |
| MY2026/27の輸出予測は前年比3.9%増の106万袋 | dailycoffeenews.com | L3 |
| MY2026/27の国内消費予測は32万袋で横ばい(高価格・人口増鈍化) | dailycoffeenews.com | L3 |
| 通貨高・国際価格下落・生産コスト上昇により、増産でも農家の利益は限定的と報じられている | dailycoffeenews.com | L3 |
| ICAFEは1933年にCoffee Defense Institute(コーヒー防衛協会)として設立され、1948年にICAFE(コスタリカコーヒー協会)へ改称された | icafe.cr | L4 |
| ICAFEの財源は輸出コーヒーへの1.5%課税とされる | helenacoffee.vn | L3 |
| ロブスタ栽培の禁止は、1988年発効の政令とも、1989年からの法律とも伝えられる。2018年に解禁する方針が示され、条件として特定区域に限ることが挙げられた | dailycoffeenews.com | L3 |
| 2000年代半ばに誕生したマイクロミル運動は、近接する小農園が共同でハニー精製用のペルパー等の設備に投資する形態 | helenacoffee.vn | L3 |
| SHB(Strictly Hard Bean)は標高順の等級表で最上位に位置づけられる区分とされる(具体的な標高基準は資料に明記されていない) | helenacoffee.vn | L3 |
| GHB(Good Hard Bean)は標高順の等級表でSHBに次ぐ区分とされる(具体的な標高基準は資料に明記されていない) | helenacoffee.vn | L3 |
| HB(Hard Bean)・MHB(Medium Hard Bean)は標高順の等級表でSHB・GHBより下位に位置づけられる区分とされる(具体的な標高基準は資料に明記されていない) | helenacoffee.vn | L3 |
| カトゥーラはブルボンの自然変異種。1915〜1918年頃ブラジル・ミナスジェライス州の農園で発見され、グアテマラ経由でコスタリカ・ホンジュラス・パナマへ導入された | varieties.worldcoffeeresearch.org | L2 |
| ビジャサルチはブルボン集団の単一遺伝子変異による小型変種で、1950年代か1960年代にコスタリカのアラフエラ州北西部で発見された | varieties.worldcoffeeresearch.org | L2 |
| ハニープロセス(ウォッシュトとパルプドナチュラルの中間)の発祥地は、資料によりコスタリカまたはブラジルと幅がある。 | sucafina.com | L4 |
| ハニー精製の普及はマイクロミル運動の広がりと並行して進んだとされる | helenacoffee.vn | L3 |
| コーヒー栽培は1700年代後半に始まり、中米で最初にコーヒー産業を確立した国とされる | helenacoffee.vn | L3 |
| 1820年代までに主要な輸出農産物となった | helenacoffee.vn | L3 |
| タラスはコスタリカで広く知られるコーヒーの産地である。 | beanbros.co | L3 |
| コスタリカのトゥリアルバ地区の標高はおよそ600〜1,400mとされる | nordico.coffee | L3 |
| コスタリカのトゥリアルバ地区は大西洋側の気候の影響を受け、複数回の開花により収穫期が早まり長期化するとされる | nordico.coffee | L3 |
| コスタリカの収穫期は11月から2月に集中するが、低地では8月頃に始まり高地ほど終了が遅いとされる | apps.fas.usda.gov | L1 |
| コスタリカの2020/21〜2022/23年度の生産統計ではロブスタ生産量は0で、生産量はすべてアラビカとされる | apps.fas.usda.gov | L1 |
| コスタリカでは標高が高いほど気温が低く豆の成熟が遅くなり、より密度の高い豆になるとされる | ticotimes.net | L3 |
| コスタリカは第二次大戦後、低生産性のティピカ・ブルボンから多収のカトゥーラ・カトゥアイへ転換し、栽植密度は1ha当たり1,000本台から3,000本台に増えたとされる | greenplantation.com | L3 |
| コスタリカのバジェ・セントラル(中央盆地)地域は標高800〜1,600mに広がり、コーヒーの木の80%超が標高1,000〜1,400mで栽培される。 | icafe.cr | L2 |
| コスタリカのトレス・リオス地域のコーヒー産地は、標高1,200〜1,650mにわたる。 | icafe.cr | L2 |
| コスタリカのブルンカ地域では、農園の標高は900〜1,400mの範囲で、土壌は火山性である。 | icafe.cr | L2 |
| 2024-25 年収穫の ICAFE の集計では、コスタリカの産地区分は 7 地域(Coto Brus、Los Santos、Pérez Zeledón 等)である。 | icafe.cr | L2 |
百科
産地の位置づけ
コスタリカは中米に位置する国で、国内のコーヒー産地区分はICAFE(Instituto del Café de Costa Rica、コスタリカコーヒー協会)が定めている。2025年の再編前は8つの産地区分(タラス・セントラルバレー・ウエストバレー・トレスリオス・ブルンカ・オロシ・トゥリアルバ・グアナカステ)で、再編後は7つ(コト・ブルス、ロス・サントス、ペレス・セレドン、トゥリアルバ、バジェ・セントラル、バジェ・オクシデンタル、ソナ・ノルテ)になった。旧タラス地域はロス・サントスに改称され、「タラス」は原産地呼称の名として管理団体だけが使う。いずれの区分も中米の脊梁を成す火山系の高地に位置する。1989年制定の法律(1988年の政令とする報道もある)で長らくロブスタ種の栽培が禁止されており、生産のほぼ全量がアラビカ種という点で周辺の中米諸国と異なる。
産地と標高
再編前の8区分のうち最大の産地はタラス(Tarrazú。現ロス・サントス)で、国内生産の約35%を占め、標高1,200〜1,900mの高地に位置する。中央部のセントラルバレー・ウエストバレーは、イラス・バルバ・ポアスなど複数の火山の影響を受ける歴史的な中心地で、ウエストバレーの栽培地は標高800〜1,400mに広がる。イラス火山周辺のトレスリオスは比較的均一な土壌条件の小地域、太平洋側南部のブルンカは標高900〜1,400mの中標高地帯で国内生産の約5分の1を占める。中央部のオロシは標高約1,000〜1,400mの中標高、大西洋側の気候の影響を受けるトゥリアルバは標高約600〜1,400mで、複数回の開花により収穫期が早期化・長期化する傾向があるとされる。セントラルバレー(バジェ・セントラル)は標高800〜1,600mに広がり、コーヒーの木の80%超が標高1,000〜1,400mで栽培される。
生産の仕組み: ICAFEとマイクロミル運動
コーヒー産業への国の関与は1933年のInstituto de Defensa del Café設立に始まり、1948年にInstituto del Café de Costa Rica(ICAFE)へ改称された。ICAFEは国家機関ではなく法No.2762に基づく公法人で、財源は輸出コーヒーのFOB価格の最大1.5%(46kg単位あたり)にあたる輸出税でまかなわれる。2000年代半ばには、近接する複数の小農園が共同でハニー精製用のペルパー等の設備に投資する「マイクロミル」という形態が生まれ、ロット単位でのトレーサブルな流通を後押ししたとされる。2018年には1989年制定の低品質ロブスタ栽培禁止法が解禁され、ICAFEが指定する特定区域に限り、アラビカとの混在を防ぐ条件付きでロブスタの栽培が認められるようになった。気候変動への対応や需要増が背景として報じられているが、解禁後も生産の大半はアラビカのままとされる。
規格: 標高基準のSHB/GHB/HB
コスタリカの等級は栽培標高を基準とする体系で、Strictly Hard Bean(SHB)が最上位に位置づけられる。SHBの標高基準は情報源によって「1,200m超」「1,350m超」と幅があり、確定した一次資料の閾値には調査でたどり着けていない。SHBに次ぐGood Hard Bean(GHB)は標高1,000〜1,200m前後(資料により1,000〜1,350mとする記載もある)、Hard Bean(HB)またはMedium Hard Bean(MHB)は標高1,000m未満の低地・中標高産という位置づけで、標高が高いほど昼夜の寒暖差により豆の成長が遅くなり密度が高くなることが上位等級の根拠として説明されている。
精製: ハニープロセス
ウォッシュトとパルプドナチュラルの中間にあたるハニープロセスは、発祥地をコスタリカとする資料とブラジルとする資料があり、マイクロミル運動の広がりと並行して普及したとされる。日本の店の商品名には「イエローハニー」「レッドハニー」「ブラックハニー」「ホワイトハニー」という色区分の表記が見られ、果肉除去後に残す粘液質(ミューシレージ)の量の違いを示す語として一般に使われている。
品種
第二次大戦後、輸送性が低く低収量のティピカ・ブルボンから、小型で多収のカトゥーラ・カトゥアイへの転換が進み、栽植密度も1haあたり1,000本台から3,000本台へ増加した。カトゥーラはブルボンの自然変異種で、1915〜1918年頃にブラジル・ミナスジェライス州の農園で発見され、グアテマラを経由してコスタリカ・ホンジュラス・パナマへ導入されたとされる。カトゥアイはムンドノーボとカトゥーラの交配種で、1949年にIACが交配し、1972年にブラジルで商業公開された。ビジャサルチはブルボン集団の単一遺伝子変異による小型変種で、1950年代か1960年代にコスタリカのアラフエラ州北西部で発見された、コスタリカ生まれの品種とされる。ゲイシャもロット単位で栽培・流通しており、日本の商品名にも表記が見られる。
典型として語られる香味
コスタリカ産の香味として一般に語られるのは、明瞭な酸とバランスの取れたカップ、産地によってはドライフルーツやバニラ、チョコレート、キャラメルを思わせる風味である。これらは産地の傾向として広く共有されている表現であり、個々のロットの評価ではない。実際の味は農園・標高・精製・焙煎度で変わる。
歴史
コスタリカでのコーヒー栽培は1700年代後半に始まり、中米で最初にコーヒー産業を確立した国とされる。1820年代までに主要な輸出農産物となり、その後の国の関与は1933年のInstituto de Defensa del Café設立に始まる。1948年のICAFEへの改称、2000年代半ばのマイクロミル運動の誕生、2018年のロブスタ栽培解禁と、20世紀後半から21世紀にかけて生産構造は段階的に変化してきた。
買い方の手引き
商品名の読み方
日本の生豆卸・自家焙煎店の商品名は、「コスタリカ」の後に等級(SHBなど)→ 産地区分(タラス、セントラルバレー、トレスリオスなど)→ 農園名 → 品種 → 精製の順に並ぶ型が中心です。COE(Cup of Excellence)の入賞ロットでは大会名と回次・順位を明示する例もあります。精製方法をそのまま農園名の前に置く命名(「ホワイトハニー ○○農園」のような型)も見られ、精製語が銘柄の識別に使われていることを示しています。
等級と精製の見方
SHB(Strictly Hard Bean)は標高基準の上位等級で、日本で流通するコスタリカ産の多くがこの表記を伴います。精製は「ハニー」の色区分(イエロー・レッド・ブラック・ホワイト)表記が特徴的で、粘液質を残す量の違いを示す語として使われ、ウォッシュトに近いイエローから、パルプドナチュラルに近いブラックまで幅があります。「ナチュラル」「アナエロビック・ナチュラル」「ウォッシュド」の表記も見られます。
旬と入荷の時期
収穫は11月から2月にかけて行われ、トゥリアルバなど大西洋側の気候の影響を受ける地域では開花が複数回起こるため収穫期がより早く始まり長く続く傾向があります。商品名にクロップ年が書かれていれば、その収穫を指す目安になります。
内容量と価格の目安
観測所の相場は下の「観測」の節に自動で出ます。生豆はSHBと産地区分の組み合わせで店をまたいで比較でき、生豆価格ボードの産地×規格の行がその比較です。
観測
コピチャ観測所が公開情報から機械収集した商品のうち、この項目に一致するもの。価格は在庫ありの行の最安 100g 換算。
観測した商品
ほか129銘柄。
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